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ISO規格とは、スイス・ジュネーブに本部を置く国際標準化機構(ISO)が定めた国際規格のことです。ISOはこれまでに2万5,000以上の国際規格を発行しており、そのうち組織の仕組みに関する「マネジメントシステム規格」は、第三者による認証を取得できる制度が設けられています。ここでは、ISO規格の種類と、ISO審査員が審査を担当する主なマネジメントシステム規格を、最新の改訂状況とあわせて紹介します。
ISO規格は、対象によって大きく2つに分けられます。また、ISO認証は、国ごとの認定機関と、実際に審査を行う認証機関によって運営されています。ISO審査員を目指すうえで押さえておきたい基本の仕組みを紹介します。
ISO規格は、大きく「モノ規格」と「マネジメントシステム規格」の2つに分けられます。モノ規格は、製品の寸法や試験方法、単位などモノに関する規格です。一方、マネジメントシステム規格は、企業や組織が品質や環境、情報セキュリティなどを管理するための仕組みに関する規格です。一般に「ISO認証を取得する」という場合は、マネジメントシステム規格の認証を指すことがほとんどです。
マネジメントシステム規格は、品質、環境、情報セキュリティ、食品安全、労働安全衛生など、さまざまな目的に合わせて用意されており、企業は活動の目的に合わせて取得を目指します。多くの規格は共通の章構成(調和構造)で作られているため、複数の規格を組み合わせて運用しやすくなっています。
ISO認証の仕組みには、2種類の機関が関わっています。企業や組織を実際に審査して認証を与えるのが「認証機関(審査登録機関)」で、ISO審査員の多くはこの認証機関に所属・契約して審査を行います。その認証機関が審査を行う能力を持っているかを評価し、お墨付きを与えるのが「認定機関」です。
日本では、公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)が代表的な認定機関で、情報セキュリティ分野(ISMS)では情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)も認定を行っています。なお、外資系の認証機関では、英国のUKASなど海外の認定機関から認定を受けている場合もあります。
ここでは、業種や組織の規模に関係なく認証を取得できる、代表的なマネジメントシステム規格を紹介します。2026年はISO 14001とISO 9001が相次いで改訂されるなど、規格の動きが大きい年になっています。
製品・サービスの品質を継続的に高めるための、品質マネジメントシステムに関する国際規格です。業界・規模を問わず世界中で広く採用されており、顧客の要求に応える製品やサービスを安定して提供することで、顧客満足の向上を目指します。業務効率の改善や組織体制の強化、リスクマネジメントなどの効果も期待できます。
2026年9月16日には、約10年ぶりの改訂版となるISO 9001:2026が発行されました。既存の認証取得組織には、おおむね3年間の移行期間が設けられる見込みです。
組織の活動や製品・サービスによる環境への影響を管理し、環境パフォーマンスの向上を目指すための、環境マネジメントシステムに関する国際規格です。環境保護や順守義務の達成、環境目標に関する要求事項を定めており、業務プロセスの上流から下流まで、環境への影響を考慮して管理します。
2026年4月15日には、10年以上ぶりの改訂版となるISO 14001:2026が発行されました。既存のISO 14001:2015認証は、2029年4月までに新しい版へ移行する必要があります。
情報の機密性・完全性・可用性を管理し、情報資産を守りながら有効に活用するための、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格です。業種・業態を問わず取得でき、個人情報に限らず、組織が管理するあらゆる情報を対象としています。現在の最新版は2022年に改訂されたISO/IEC 27001:2022です。
労働に関連する負傷や疾病を防止し、安全で健康的な職場を提供するための、労働安全衛生マネジメントシステムに関する国際規格です。業種・業態を問わず取得でき、良好な職場環境の構築やコンプライアンスの推進、従業員のモチベーション向上なども期待できます。
自然災害やシステムトラブル、感染症の流行、停電、火災などの脅威に備え、重要な事業を継続・早期復旧させるための仕組みに関する国際規格です。業種・業態を問わず取得でき、対応する脅威は事業影響度分析やリスクアセスメントによって特定します。要求事項では、脅威への組織的な対応策の構築・運用や、パフォーマンスの監視・レビュー、継続的改善が定められています。
エネルギーの使用状況を把握・可視化し、継続的な改善によって省エネルギーやコスト削減を実現するための国際規格です。ISO 14001が環境側面全般を対象とするのに対し、ISO 50001はエネルギーパフォーマンスの改善に焦点を当てている点が異なります。共通の章構成で作られているため、ISO 14001と組み合わせて運用しやすく、省エネ法への対応にも役立ちます。
交通事故による死亡者や重傷者を減らすために必要な、マネジメントシステムの要求事項を定めた国際規格です。公共交通機関や物流事業者、自動車メーカー、医療機関、国や自治体など、業種や規模に関係なく取得できます。要求事項が法律に基づく運輸安全マネジメントと似ているため、運輸安全マネジメントで構築した仕組みを活用できますが、ISO 39001は任意の制度である点が異なります。
2023年12月18日に発行された、世界初のAI(人工知能)マネジメントシステムに関する国際規格です。AIシステムを開発・提供する組織だけでなく、AIを利用する組織も対象で、AIの責任ある開発・利用に向けたガバナンスやリスク管理、継続的改善の仕組みを定めています。ISO/IEC 27001やISO 9001と組み合わせて運用することもできます。
セクター規格とは、特定の業界や業種に特化したマネジメントシステム規格のことです。多くはISO 9001などの基本となる規格をベースに、その業界ならではの追加要求事項を定めており、より踏み込んだ審査・評価ができるようになっています。審査員にも、その業界に関する専門知識や実務経験が求められます。
医療機器メーカーや医療機器用の部品メーカーなど、医療機器産業に特化した品質マネジメントシステムの国際規格です。現在の最新版はISO 13485:2016で、日本では2021年3月にQMS省令(医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令)が改正され、ISO 13485:2016との整合が図られました。米国でも、2026年2月2日からISO 13485:2016を取り込んだ新たな規則(QMSR)が施行されています。
自動車産業のサプライチェーンを対象とした品質マネジメントシステム規格です。ISO 9001をベースに、自動車業界特有の要求事項を加えた内容となっており、自動車メーカーや部品メーカーなどが取得しています。
航空・宇宙・防衛産業を対象にした品質マネジメントシステム規格です。ISO 9001をベースに、安全性の確保と信頼性の向上のため、顧客や規制の要求事項を満たした製品・サービスの提供に関する要求事項を追加しています。国際的にはAS9100(EN 9100)、日本ではJIS Q 9100として発行されています。
HACCPの食品衛生管理手法をベースに、食品安全のリスクを減らし、安全な食品を提供するためのマネジメントシステム規格です。食品製造業だけでなく、原材料の生産者から流通、サービス提供者まで、フードチェーンに関わる組織が対象です。一部の工場や生産ラインなど、認証の対象範囲を任意に決めることもできます。
ITサービスを提供する組織を対象に、サービス品質の維持・向上を目的としたマネジメントシステム規格です。提供しているITサービスの内容やリスクを明確にし、効率的・効果的にサービスを提供・改善し続けるための枠組みを示しています。
参照元:IRCAジャパン「ISO 14001:2026年版が公開されました」(https://japan.irca.org/media/category02/2026-edition-iso-14001-now-available)
参照元:DQS「ISO 14001:2026の改訂について知っておくべきこと」(https://www.dqsglobal.com/ja/topics/featured-standards/overview-of-the-iso-14001-revision)
参照元:ISMS-AC「ISMS適合性評価制度 ISO/IEC 27001:2022 への対応について(更新版)」(https://isms.jp/topics/news/20230227.html)
参照元:PMDA「改正QMS省令の概要及び調査での指摘事例等について」(https://www.pmda.go.jp/files/000252669.pdf)
引用元:BSIグループジャパン株式会社公式HP
https://www.bsigroup.com/ja-JP/about-bsi/careers/
創業120年の歴史と実績を持つ国家規格協会「BSI」の日本法人である「BSIグループジャパン株式会社」(以下BSIジャパン)マネジメントシステム審査登録、医療機器認証サービス、ISO規格を中心とした研修・トレーニングなど幅広いサービスを提供しています。
BSIジャパンの社員は全員中途で、20から60代と幅広い年齢の方がこれまでのキャリアを活かして活躍しています。ISO審査員の資格がなくても、関連業界・関連分野での専門知識・一定期間の業務経験があれば、入社後の審査員を目指すことが可能。そのサポート体制も充実しています。